〔021〕安達太良山 (1,700m)

標高差:755m

2005年04月29日(当時55歳)


前日(28日)、移動中に奥岳登山口の反対側、箕輪スキー場側から見た安達太良山。
温泉なんかに浸からずにもう一山登っておれば、この晴天が楽しめたのだがと後悔する。

駐車場を5時40分出発、15分程、林道を歩くと登山口に出くわす。
登山口には ”ゲレンデを歩くな”の注意書きがあった。

ゲレンデを登って行くと、スキー初心者用のエスケープコースに入る。
探して歩いている訳でもないのに、ここでも小銭を沢山拾う。

〔この上の空がほんとうの空です〕
曇っていますが・・・

”展望所”から見たゲレンデとRWの山麓駅。 ゲレンデが白く延びている

山頂駅から45分で ”仙女平分岐”に着く。
このころからガスが濃くなり、霧雨となってきた。
ガラ場の急登を頑張って、2時間37分にて ”安達太良山”(1,700m)
に着くが、これは初心者ハイカー用の山頂標識であり、
標高での最高地点は後ろに聳える乳首山のてっぺんにある。
これが乳首部分の岩峰、本来なら登って帰るのだが、
この強風では無理である。 早々にリタイヤして下山する。
下山するとあれだけガスっていた山頂が一瞬だけ顔を出した。
頼むから一日中ガスっておいてくれ。 が俺のやらしい本心だ。
駐車場に帰ると車が一杯になっていた。 俺なんか遠くから来ている
から悪天候でも無理して登ってしまうが、地元からで、この天気で
何で登るの?

今日の温泉
 下山後はネットで調べておいた ”安達太良温泉”に向かう。
結構、山深いところにあり、300円ながら石鹸もシャンプー常備されており、露天風呂は無いが湯舟の外が渓谷で露天風呂の感触が充分味わえた。 近年ベストランクの300円温泉だった。 湯に浸かっていると数時間前まで雪山を這いずり廻っていたのが嘘の様に感じられた。
正に天国と地獄だった。 今日も一人しか入っていないので長風呂しようと思ったが、頑張って
25分でリタイヤだった。
リベンジ
  敗退から2年後の '07年08月15日に ”池尻スキー場”から登り、晴天下でリベンジ出来た。
その時に山頂付近から今回の道間違いの原因を検証してみた。

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福島県二本松市永田

前日の移動
  安達太良山は磐梯山から直ぐ隣りの山、28日に登ってしまおうかとも思ったが、先は長い、ゆっくり行こうと思い直したのが間違いの元だった。一度、登山口を確認して買物(毎日、100円おにぎり2ヶ)と夕食を食べに一旦、山を降りる。4時過ぎに登山口に戻るが登山者は誰も来ていない、朝からの風は更に強くなっている。何もすることが無いので焼酎を呑んで7時に寝る。

奥岳登山口から登り始める。
  爆睡して4時に目が覚める。車がグラグラ揺れる程の強風になっており、時折、駐車場の砂を巻き上げた
砂嵐が襲ってくる。 車の下に乾してあった登山靴は飛ばされてしまっていたが、幸い近くにあった。
安達太良エキスプレスのR・Wは8時半が始発らしいが今日の強風では運行出来ないのではと思う。
時給900円のアルバイト
  歩いて1時間のところをロープウエイに乗れば8分で運んでくれる。 しかし、R・Wの始発時間の関係も
あり、900円を浮かす為にR・Wを使わずに歩いて登る。

登山道を道成りに歩いて行くと、途中で薮扱きになってしまい登山道を見失う。 歩いてはいけないゲレンデ歩きとなる。 山頂駅は遥か遠くに見えた。 ゲレンデの残雪の上で100円玉を拾う、ラッキー!

1時間05分にてRWの ”山頂駅”に着く。 山頂駅手前のコースでも
小銭を拾う。 山頂駅で合計してみると1、465円もあった。
本格的に探せばもっと見付かるかも知れない。
山頂駅から直ぐの ”薬師岳展望所”。
風は相変わらず強く、ガスも降りてきた。

”展望所”からはゴヨウマツ帯となり、残雪で踏み跡は薄く、
登山道を探しながらの歩きとなる

下山時、ガスで登山道が見えなくなり道間違いをする。
  周回したくて下山路は ”くろがね小屋”方面とした。
メガネにガスの水滴が付いて要をなさない。 大村昆ちゃん状態でメガネをずらして歩くが、裸眼視力は0.3しかなく、濃いガスと相まって周辺がほとんど見えない。
残雪が硬く踏み跡は薄い、岩に書かれたマーキング、笹竹の目印を探しながら下って行くが、何の踏み跡も無い谷間の残雪帯に迷い込んでしまった。
本来なら登り直すべきであろうが、登り直すにも方向が判らない。
深い谷の雪渓をドンドン降りて行くが内心不安でしょうがない。
もし、この先が崖だったらどうしようかと思い始めると小走りだった足にもブレーキが掛かってしまう。 案の定、滝音が聞こえてきた。 しばらく進むと大きな落ち込みとなり、どう考えても降りれそうにない。
ガスの中で迷子になる。
  少し登り直してコンパスと相談しながらくろがね小屋のあると思われる北へ進む。
残雪がなければ薮扱きで歩けない様なところであるが、残雪のお陰で薮扱きはほとんどなく助かる。 北向きに歩き易いところを進んでいると2回崖にぶち当たり、その都度、進路を変える。 まだ9時前、これが夕暮れなら精神的に追い詰められてしまうが、登り直す時間も体力も残っている。 前方に話し声が聞こえ出し、その方向に進んでみると登山道に出ることが出来た。その登山者に聞いてみると登山口から1時間半の地点らしい。
飲まず食わずのずぶ濡れ、無事、生還出来て良かった。

【5月の嵐・メイストーム】 今回の強風はこれかなと思います。
4月の後半から5月ごろにかけて、メイストームと呼ばれる嵐が吹き荒れることがあります。
低気圧が日本海に入って台風並みに発達しながら北日本に向うとき、
日本列島の天気が広い範囲に渡って急激に変化します。
低気圧が日本海にあると、低気圧に向かって南よりの強い風が吹きます。
各地で強風が吹き荒れ、海上は波が高く大荒れになります。
低気圧の寒冷前線が通過する時は、雷を伴った強い雨が降ったり、
海や山は大荒れの天気となって、遭難事故が起こることもあります。
昭和29年の5月9日から10日にかけて、
日本海西部から北海道を急速に発達しながら進んだ低気圧によって、
強風と高波で漁船が沈没したり行方不明になるなど大惨事となりました。
これが「メイストーム」と名付けられた初めての低気圧です。
低気圧が日本海を発達しながら進むような天気図の時は注意が必要です。

Road Map:R4、R459を経由して県道386号線を安達太良高原スキー場まで走る。
'05年度、東北の山遠征
04/28 04/29 04/30 05/01 05/01
磐梯山 安達太良山 那須岳 皇海山 赤城山
あだたらやま
日本百名山』 山頂では強風とガスで乳首のてっぺんまで登れなかった。 下山時、濃いガスで登山道を見失う。
深田久弥著の「日本百名山」から
  地図の上では、その一連の峰に、箕ノ輪山、鉄山、矢筈ノ森、和尚山などの名が付され、その中央に乳首のような円錐峰が安達太良山となっている。(略)しかし万葉集や智恵子が安達太良山と見たのは、その小さな乳首だけでなしに、その全体を指してのこどだろう。
奥岳登山口からスキー場のゲレンデを歩き山頂標識に至るが、下山は濃いガスで道を見失い迷走する。
鳥瞰図(参考まで)
前日の ”安達太良連山”は晴れていた。
2023年10月16日改定
(ゲレンデ通り抜け禁止)の注意書きがあったがスキーシーズンは終わっているので、近道ならゲレンデを歩くことにした。
無事?下山を果たす。
 残雪の中、藪扱きを続けて正規の登山道に出ることが出来た。 これで無事に下山出来ると安堵する。このガスと雨の中、カッパを着た登山者が次々と登ってくる、アホちゃうかと思ってしまうが、
カッパを着ていない俺の方がもっとアホに見えるんだろう。 ヌタヌタの登山道を下り終えると渓谷の
散策道に出る。 そこを歩いてみる予定だったが、散策道には残雪が一杯残っており、滑って渓谷に
落ちそうなので取りやめて駐車場に帰る。
下山は2時間10分、トータル4時間35分で安達太良山を終える
  天気の良かった昨日に登っておかなかったことを後悔する一日でした。
後日談であるが2007年8月15日に安達太良山にリベンジで登った時に道間違いを検証してみた。
当時、可成りの濃霧であり、この景色はまったく見えなかった。
登山道の目印になる竹棒が点々と立っていたが、近付くまで竹棒は見えなかった。
残雪が残る大きな谷筋に入ってしまい、ガイドになっていた竹棒も標識も出て来ないので
道間違いと気付いた。 引返すのが原則であるが、引返しても正規の登山道が見付かる可能性は
低いのでそのまま下ってしまう事にしたが、大きな滝で進路は阻まれた。崖に沿って東に歩いた。